映画 すみっこぐらし ネタバレ込み感想
映画すみっこぐらしネタバレ感想。
正直、映画を見るまで、そしてTwitterの感想を見るまで全く見る気もなかったし、すみっこぐらしを大して知らなかった。しかし、だ。仕事帰りのテンションで見てしまった。
感想。優しく「無理なものは無理なの。」といってくる映画。俺は辛い、耐えられない。
自分にとって、アニメ作品というものは、無理を通して道理を蹴っ飛ばすものだと思っていた。そう、アニメは現実では実現できないような、理(ことわり)を越えられるものだと思っていた。
でも、この作品は違ったんだ。
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ひよこは、みにくいあひるの子でもない。読まれなくなった絵本のブランクに書かれた、ただの落書き。だから、物語なんてない。もちろん、仲間も、かかれていないから、いない。すみっこたちと一緒に、元の世界に行くことなんて、できない。
エンディング前にすみっこたちが、ひよこのために絵本のひよこの絵の近くに、自分達の絵を描いてあげたけど、あくまですみっこたちが優しさから描いてあげただけであって、本当にひよこがひとりぼっちじゃなくなったかは、わからない。
加えて、エンドロールの演出は、あくまですみっこたちの夢の中の話。ひよこはひとりぼっちじゃなくなったのか、それは誰にも分からない。(し、きっとひとりぼっちだ。)
俺は辛い、耐えられない。
作中で、すみっこ達同士の善意の行動に対して、ちゃんとした、ありがとうが飛び交うからこそ、ラストが辛い。こんなに善意で溢れているのに、ひよこは落書きだから、次元を越えられないのが辛い。元の世界も、物語もないひよこは、どこにもいけない。辛い。
しかもすみっこぐらしの始まりは作者の落書きから始まったというから、ひよこに対して抱く感情の辛さが増す。
もしも、すみっこ達のなかに、ひよこがいたら、ノートの隅の落書きでなく、スクリーンの中にも行けたし、映画のお土産にもなれた。すみっこたちは、偶然、二次元から三次元に行けた。なのに、ひよこは、なれなかった。それが辛い。
俺は辛い、耐えられない。
映画、すみっこくらしは、ゆるふわ映画だと思ったら、そんなことはなく、ただ、「無理なものは無理なの。」と淡々と言われているようで、俺は辛い、耐えられない。
映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ夕日のカスカベボーイズを見終わったあとのような辛さと寂しさと悲しさが募る映画でした。それでもこの作品は、好きだ。